推しくんに認知された話
こういう話ってオタク同士だと顔を合わせて話すには難しい話な気がする。
ちょっとナイーブで比較されがちなものだから。オタク同士の強さに繋がるから。
迂闊に言えばマウントを取ったとか、そういう話になるからなかなか難しい。
認知って言葉は、前ならあまり意識しなかった言葉だった。認知なんて縁遠い話だった。
前回話したように、私の推しのファンは少ない。だからか、私は推しくんに認知されていると思う。でもそれは私が特別だから、とかそういう理由ではない。推しくんはファンのことを覚えようとしてくれるから、何度か通っている人なら、大抵の人は覚えられていると思う。
私が推しくんを好きになって、イベントに通うようになった2回目には、顔を覚えていてくれたし名前も覚えてくれていた。これは単純に、推しくんがすごい。
推しくんのファンは古株が多いので、新規の私が物珍しかったのもあるかもしれない。
あと、実のところ、一番最初に話をした時、こういうことを言ったら覚えてくれるんだろうなっていう話題を振った。案の定すごく喜んでくれたし、覚えるきっかけの一つにはなり得たと思う。打算的で下心があってごめんね、推しくん。
自分の好きな人に認知される。正直、すごく嬉しい。自分が特別な気がするから。
でも、認知されると、本当に贅沢なことなんだけれど、結構困ることも分かった。主に精神的に。
今まで好きだったグループはジャニーズで大手でとてもじゃないけど、接触できるイベントなんてなかった。だからこそ、変な話だけどもなんでも出来た。
担当のかっこよさについて気持ち悪いぐらい語っていたし、担当は、私個人のことなんて見えていないから、ずっと気楽に楽しくオタクをしていた。
でも、認知された今は、あの時とは違う気持ちになる。
私という存在に気づいて欲しくなる。承認欲求が強くなる。次会ったとき、あっちから話しかけて欲しくなる。
目を逸らされたら嫌われたと思う。ほかの人にはもっと優しくしてくれているのに、わたしに笑いかけてくれる時は目が笑っていない気がする。
元々私がメンヘラ気質なのも影響しているんだと思う。過剰意識で被害妄想なのかもしれない。でも、推しくんだって人間だもの。嫌いな人間ぐらいいるだろう。そこに、自分が入り込まない自信なんて、ない。
認知の先に一体何があるんだろう。私は何を目指しているのか。わからない。
認知されて普通、幸せなはずなのに、なぜこんなにモヤモヤしているのか。
ほかのオタクさんもこんな気持ちになっているのでしょうか。